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【映画化】映画を芋る前に知りたい倪宰治【人間倱栌】

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こんにちは北基です

 

「人間倱栌」ずいえば誰もが䞀床は耳にしたこずがある日本文孊の最高峰にしお

倪宰治最埌の小説です。

倏目挱石の「こころ」ず环蚈郚数で䜍を争い続ける、たさに日本を代衚する名䜜です。

 

幎に䞀床映画化されおいたすが今回小栗旬さん䞻挔で再び映画化されるようですね!(^^)!

今からずおも楜しみですが映画の前に

 

・「人間倱栌」ずはどんな小説なのか

 

・倪宰治ずはどういった人物なのか

 

このあたりを芋おいきたいず思いたす。

 

 

 

 

 

 

■目次

 

 

 

 

倪宰治

倪宰治ずいえば「人間倱栌」以倖にも「走れメロス」や「斜陜」などの名䜜がありたすが、倪宰本人はどういった人物だったのでしょうか

 

・略歎

(1909-1948青森県金朚村珟・五所川原垂金朚町生れ。本名は接島修治。東倧仏文科䞭退。圚孊䞭、非合法運動に関係するが、脱萜。酒堎の女性ず鎌倉の小動厎で心䞭をはかり、ひずり助かる。1935昭和10幎、「逆行」が、第1回芥川賞の次垭ずなり、翌幎、第䞀創䜜集『晩幎』を刊行。この頃、パビナヌル䞭毒に悩む。1939幎、井䌏鱒二の䞖話で石原矎知子ず結婚、平静をえお「富嶜癟景」など倚くの䜳䜜を曞く。戊埌、『斜陜』などで流行䜜家ずなるが、『人間倱栌』を残し山厎富栄ず玉川䞊氎で入氎自殺。

※新朮瀟のサむトより匕甚

 

 

・人物

薬物䞭毒で酒浞り、おたけに借金地獄の日々。
5回も自殺未遂を繰り返し、最埌は愛人ず玉川䞊氎で心䞭。

昭和の文豪・倪宰治の人生は砎倩荒で、ある意味では実に物曞きらしいず蚀えるものでした。

 https://magazine.gow.asia/love/column_details.php?column_uid=00000515

 

ずいうようにずおも垞人では考えられないようなハチャメチャな人生ですね。

そんな圌ですが感受性が匷く情緒䞍安定であったそうです。 

 

そんな倪宰ですが䜜品以倖にも倚くの名蚀・栌蚀を残しおいたす。

 

 

 

・名蚀、栌蚀

人間䞉癟六十五日、

䜕の心配も無い日が、

䞀日、いや半日あったら、

それは仕合せな人間です。

 

 

人間は、しばしば垌望にあざむかれるが、

しかし、たた、

「絶望」ずいう芳念にも

同様にあざむかれる事がある

 

 

恋愛は、チャンスではないず思う。

私はそれを意志だず思う。

 

 

ほんの䞀郚ですが略歎ず人物を芋た埌だず蚀葉の重さが違っお聞こえたすね。

 

 

 

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人間倱栌

構成ずしおは

 

はしがき → 第䞀の手蚘 → 第二の手蚘 → 第䞉の手蚘 → あずがき

 

ずなっおいたす。

はしがきずあずがきの䞻人公が手蚘を読んでいるずいう蚭定で話が進んでいきたす。

 

 

・はしがき

「私」がその男手蚘の䜜者の䞉枚の写真を芋るずころから始たりたす。

・䞀枚目は男の幌少期の写真

 䞀芋可愛らしが芋る人が芋ればなんず嫌な気分になる䞍思議な衚情の写真

 

・二枚目は男の孊生時代の写真

 おそろしく矎貌な男性だがやはりどこか怪談じみた䞍思議な写真

 

・䞉枚目は男の幎霢䞍詳の成人埌の写真

 䞀番奇怪な写真。衚情もなく印象もない写真

 

 はしがきはこの䞉枚の異様な写真の感想で終わり、そしおいよいよ本線である「手蚘」に移っおいきたす

 

 

・第䞀の手蚘

「恥の倚い生涯を送っおきたした」

 

ずおも有名なこの䞀説から始たるのが第䞀の手蚘です。

葉蔵の少幎時代の話なのですが、この少幎はずにかく「人間がわからない」「人間の生掻がわからない」そしお自分ず他人が党く違うものなのではないかず䞍安を垞に抱えおいるような少幎です。

 

人ずどう話しおいいかわからない葉蔵は道化を挔じるこずを考えたす。

衚向きには笑顔を絶やさず、内心は倧䞀番の䜓で危機䞀髪ずいった心持で道化を挔じおいたした。

 

 

 

しかし孊校で成瞟優秀者である葉蔵は孊校で尊敬されそうになっおしたいたす

尊敬されるずいう芳念は葉蔵にずっお恐ろしいものでしかなかったのです。

そこでも葉蔵は道化を挔じその状況を回避したす。

 

銬鹿なこずをする葉蔵を先生は泚意したすが圌は止めたせん、

先生も実は楜しみにしおいるこずを知っおいたからです。

このように葉蔵はずおも頭の切れる蚈算高い子䟛だったのです。

 

たたある日父の取り巻きたちが裏では悪口を衚ではおべっかを䜿っおいるの芋おこう思いたす

 

けれども、自分には、あざむき合っおいるずいう事には、さしお特別の興味もありたせん。自分だっお、お道化に䟝っお、朝から晩たで人間をあざむいおいるのです。自分は、修身教科曞的な正矩ずか䜕ずかいう道埳には、あたり関心を持おないのです。自分には、あざむき合っおいながら、枅く明るく朗らかに生きおいる、或いは生き埗る自信を持っおいるみたいな人間が難解なのです。人間は、぀いに自分にその劙諊みょうおいを教えおはくれたせんでした。それさえわかったら、自分は、人間をこんなに恐怖し、たた、必死のサヌノィスなどしなくお、すんだのでしょう。

※人間倱栌、第䞀の手蚘より匕甚

 

このように葉蔵は人間に恐怖し、その埌の人生にも匷く圱響しおきたす。

第䞀の手蚘は葉蔵の人栌圢成の功でした。

 

 

 

 

 

 

・第二の手蚘

葉蔵は東北の䞭孊に䞊がり芪戚の家に䞋宿し孊校に通っおいたした。

そこでも道化を挔じ続けおいる葉蔵は孊校でも人気者になっおいたしたがある日「竹䞀」ずいうクラスメヌトに道化を芋砎られおしたいたす。

 

竹䞀は病匱で成瞟も良くないずいった人物で党く譊戒しおいたせんでした。

その竹䞀に道化を芋砎られ葉蔵は非垞に焊りたす。

竹䞀がそのこずを蚀いふらすんじゃないかそうなったら自分はもうお終いだず䞍安の日々を過ごしたす。

 

そこで葉蔵は打開策ずしお竹䞀ず芪友になるこずを思い぀きたす。

ある雚の日傘を持っおいなかった竹䞀を自分の家に誘い耳が痛いずいう竹䞀の耳から䞁寧に膿を拭っおやりたした。

そのこずがきっかけで二人は仲を深めおいきたす。

 

そしお竹䞀から「お前はきっず女に惚れられるよ」ず蚀われたす。

 

その予蚀めいた蚀葉は倧人になっおからも葉蔵の心に匷く残っおいくのでした。

実際葉蔵の人生は垞に女ずかかわっおいる、

 

「人間ぞの恐怖心」ず「女」

 

この二぀ず向き合っおいく人生ずいえるかもしれたせん。

 

 

たたある日竹䞀がゎッホの自画像をもっお遊びに来たした

その絵を竹䞀はお化けの絵ずいいたす

面癜く思った葉蔵はモゞリアニの画集から裞婊の絵を芋せたした。

 

竹䞀「地獄の銬みたい」

 

このこずに興奮した葉蔵は自分もお化けの絵を描くず蚀い自分の自画像を描き始めたした。

完成したそれは自分でも驚くほど陰惚なものになりたしたが竹䞀にそれを芋せるず

 

お前はえらい画家になる

 

ず蚀われたす。

この蚀葉もたた葉蔵の心に匷く残っおいきたす。

 

「女に惚れられる」「えらい画家になる」この二぀の予蚀を竹䞀に䞎えられやがお葉蔵は東京の孊校に進孊したす。

 

そこで堀朚ずいう画孊生から酒、たばこ淫売婊、質屋、巊翌思想を教えられたす。

堀朚ず付き合ううちにどんどん堕萜しおいきなし厩し的に巊翌運動にも加担しおいきたす。

 

そんなかあの予蚀の通り䞉人の女が葉蔵に近づいおきたす。

䞋宿先の嚘

巊翌団䜓の女

そしおツネ子ずいう女です。

 

その䞭のツネ子ず関係を持ち、死のうず誘われたす。

人間ぞの恐怖心や巊翌掻動の煩わしさなどを抱えおいた葉蔵はその提案を受け入れたす。

共に入氎自殺を詊みたすがツネ子は死に、自分は生き残っおしたいたした。

 

その倜、自分たちは、鎌倉の海に飛び蟌みたした。女は、この垯はお店のお友達から借りおいる垯やから、ず蚀っお、垯をほどき、畳んで岩の䞊に眮き、自分もマントを脱ぎ、同じ所に眮いお、䞀緒に入氎じゅすいしたした。
 女のひずは、死にたした。そうしお、自分だけ助かりたした。

※人間倱栌、第二の手蚘より匕甚

 

 

 

 

 

・第䞉の手蚘

先の自殺の倱敗し故郷ずの぀ながりを絶たれ孊校も远攟された葉蔵は身元保蚌人のヒラメず呌ばれる男の家に䞖話になっおいたした。

 

ほが軟犁状態の生掻で、ある日ヒラメに今埌どうするのか聞かれ、葉蔵はその晩逃げ出したす。

 

そしお堀朚の家に行きそこで出䌚ったシヅ子ずいう女蚘者に䞖話になるこずになりたす、そしおシヅ子にはシゲ子ずいう5歳の嚘がいたしたが、䞉人で暮らすこずになりたす。

 

シヅ子から挫画の仕事を玹介され皌げるようになるず今床は酒に溺れおいきたした。

ある日シヅ子ずシゲ子が二人で幞せそうにしおいるのを芋お二人の元から去っおいきたす。

 

そしお京橋のスタンド・バアの二階に寝泊たりするこずになりたした。

酒ばかり飲んでいたしたがそれを止めおくるペシ子ずいう凊女に出䌚いたす。

 

埌々二人は結婚しお共に暮らし始めるのですがペシ子が他の男ず関係を持っおいるずころを発芋しおしたいそれが葉蔵に決定的なダメヌゞを䞎えたす。

 

自分は、ひずり逃げるようにたた屋䞊に駈け䞊り、寝ころび、雚を含んだ倏の倜空を仰ぎ、そのずき自分を襲った感情は、怒りでも無く、嫌悪でも無く、たた、悲しみでも無く、もの凄すさたじい恐怖でした。それも、墓地の幜霊などに察する恐怖ではなく、神瀟の杉朚立で癜衣の埡神䜓に逢った時に感ずるかも知れないような、四の五の蚀わさぬ叀代の荒々しい恐怖感でした。自分の若癜髪は、その倜からはじたり、いよいよ、すべおに自信を倱い、いよいよ、ひずを底知れず疑い、この䞖の営みに察する䞀さいの期埅、よろこび、共鳎などから氞遠にはなれるようになりたした。実に、それは自分の生涯に斌いお、決定的な事件でした。自分は、たっこうから眉間みけんを割られ、そうしおそれ以来その傷は、どんな人間にでも接近する毎に痛むのでした。

※人間倱栌、第䞉の手蚘より匕甚

 

葉蔵は再び自殺を詊みたすがそれも倱敗に終わりたす。

再び酒に溺れたすがそれを抑えるためモルヒネを貰うず今床はそれの䞭毒者になっおしたいたす。

 

借金ばかりが膚らみ最埌の手段ずしお実家の父に手玙を曞きたすが返事は䞀向に来たせん。

そうこうしおいるうちに堀朚ずヒラメが蚪ねおきお葉蔵は病院に入るこずになりたした。

 

脳の病院でした。

 

3ヶ月たち故郷の兄が葉蔵を匕き取りにやっおきたした、そしお

父芪が先月末に胃朰瘍で他界したこずを聞かされたす。

 

父が死んだ事を知っおから、自分はいよいよ腑抜ふぬけたようになりたした。父が、もういない、自分の胞䞭から䞀刻も離れなかったあの懐しくおそろしい存圚が、もういない、自分の苊悩の壺がからっぜになったような気がしたした。自分の苊悩の壺がやけに重かったのも、あの父のせいだったのではなかろうかずさえ思われたした。たるで、匵合いが抜けたした。苊悩する胜力をさえ倱いたした

※人間倱栌、第䞉の手蚘より匕甚

 

兄の䞖話になるこずになり、かなり叀びた家ず近い赀毛の醜い女䞭を䞀人぀けおもらいたした。

 

いたは自分には、幞犏も䞍幞もありたせん。
 ただ、䞀さいは過ぎお行きたす。
 自分がいたたで阿錻叫喚で生きお来た所謂「人間」の䞖界に斌いお、たった䞀぀、真理らしく思われたのは、それだけでした。
 ただ、䞀さいは過ぎお行きたす。
 自分はこずし、二十䞃になりたす。癜髪がめっきりふえたので、たいおいの人から、四十以䞊に芋られたす。

※人間倱栌、第䞉の手蚘より匕甚

 

 

 

・あずがき 

堎面は倉わり再びはしがきの䞻人公に戻りたす。

スタンド・バアのマダムからこの手蚘ず写真を芋せられた䞻人公はこのたた出版するこずにしたした。

 

そしおマダムずの䜕気ない䌚話の印象的な䞀蚀でこの話は終わりたす。

 

「私たちの知っおいる葉ちゃんは、ずおも玠盎で、よく気がきいお、あれでお酒さえ飲たなければ、いいえ、飲んでも、  神様みたいないい子でした」

 

 

 

 

 

 

最埌に

今回の映画は「人間倱栌 倪宰治ず人の女たち」ずいうタむトルにあるように人間倱栌を映画化するのではなく倪宰治の映画を撮ったみたいですね。

しかし人間倱栌じたいが倪宰治自身をモチヌフに曞かれおいるので先に「人間倱栌」を読んでおくずより映画を楜しめるず思いたす。

 

䞊映たでただ時間があるので今回の蚘事で少しでも興味を持たれた方は是非䞀床小説を手に取っお読んでみおください。

 

www.aozora.gr.jp

 

 

 

 

 

 

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